絵は心のメッセージ

 言葉も語彙も少ない幼児期に「その子の思い」を知りたい。「その子が伝えたい心もち」を聞いてみたいとの思いがあり、当園では絵画と、工作の表現活動を大切にして教育活動に取り組んでいます。
 豊かな体験とは、体験の数以上に「体験の仕方・体験の質」が大切であると考えています。「感動」「驚き」「悲しみ」などの情動を伴う体験は子どもを成長させる力を持っています。ただ「おもしろかった」「楽しかった」ということや、教師から与えられた体験であれば、日常のありきたりな出来事で終わります。子ども達が何かを深く感じる体験をすることは心情に影響することと思います。幼稚園でしばらくの間チャボを飼育しました。そのときの「ちゃぼとあそんだ」絵を紹介します。この絵はその形を写しとろうとしたのではなく自分たちが餌をあげ、水を取り替えながら育てているそのチャボを描きたいという願いから生まれた表現です。色や形を見ているだけでなく、親しみを感じている生き物への「命の大切さ」を表現しているのです。また、子ども達が種を蒔き、水をやり、毎日お世話をしていたらある夏の朝幼稚園に来ていっぱいに咲いていたあさがおの花。その喜びと予期せぬ驚きを表現した絵もあります。体験の喜びをあらわした絵は、じゃが芋や大根の種をまき、外遊びのときには必ず自分たちの畑の土を覗き込んでいるうち「そろそろ土の中を見てみようよ」と掘り起こしてみたら小さな種からこんなに大きくなったという喜びがじゃが芋をしっかりつかんでいる手や長く伸びた腕、大きく描かれた大根の形に表れています。
 大人の世界でも、趣味で何かしたりすると、人前で発表したり、展示したりすることに喜びを感じ自分を感じることが出来ます。子ども達にとっても、自分はここにいるよ。自分の気持ちはこうだよ。自分の好きな人(たとえばお母さんお父さん、おじいちゃん、おばあちゃん先生等)に伝えたい思いがあるから、それを絵で伝えてくれているのです。
 教師たちは子ども達が心を開放し、思いを表現できる環境を大事にしていきたいと考えています。

第二しののめ幼稚園

学院キャンパスだより第13号

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豊かな時間をつくる

 子どもたちの生活が忙しくなったといわれています。ドイツの児童文学作家ミヒャエルエンゲの名作「モモ」は、時間の大切さを私たちに考えさせてくれます。忙しい人間が増えることで子どもたちの遊びや賑わいが街から消えます。しかし一人の女の子モモの活躍で「時間」をとり戻した街には、再び子どもの遊びの姿が見られるというお話です。作者は、大人も子どもも、一人ひとりが豊かな時間を積み重ねていくことが生きる豊かさに繋がるということを語りかけています。
 幼稚園の一日は、多様な時間と多彩な行事で成り立っています。その時と行事の進行を私たちは、次のような配慮をして子どもたちと共有したいと整えています。
①心身ともに思いのままに心が動く雰囲気。
②子どもの主体的な活動を広げる場の設定
③子どもと共有しあえる体験の共有。
④子どもが自分の思いや、考えを話したり認められたり出来る場の拡大
などです。
 「幼稚園大好き。また明日も来るね。」幼稚園でたっぷりと遊びこんだ子どもたちは、今日と同じく楽しいことが明日もあるのだという安心感を感じながら降園していきます。
 行事を見まわしても「かけっこ負けない」と競い合う気持ちが芽生える運動会、さくらんぼ狩りや、かに採り、大根掘り、雪遊びなど季節を感じる体験。大きな会場で自慢の演奏発表の音楽会や言葉と、身体表現を通して、みんなが認めてほめてくれる、自信を生むお遊戯会の発表。待ちに待ったクリスマス会など幼稚園の行事は、かけた時間を十分楽しむ機会を生むものです。
 私たちは、人前でものおじせず自分の思いを表現出来る子どもを育てるために、一日、一週、一月、一年と、こつこつと継続し続ける事や、子どもと教師が、ゆったりとした心持で活動していく行事の山々を整えながら、「わかった喜び」「出来た達成感」を味わう豊かな環境と時間を充実させていきたいと考えています。

第二しののめ幼稚園

学院キャンパスだより第12号

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「のびのび・すくすく・ぐんぐん」と

 「豊かな成長・確かな保育」を掲げている本園では、十文字学園林建造氏の造形教育三系論」つまり豊かなイメージを創る想像の系。イメージを具体化する技術の系。教師と子どもが思いを共感共有する伝達の系を柱に、文字もなく、語彙も少ない幼児の誰もが、自分の思いを伝え、描いたり創ったりの造形表現をとおして、喜びと自信が育っていくことを信じて教育活動を実践しています。
 「のびのび・すくすく・ぐんぐん」には、年少児は、園生活の全てをのびのびと楽しむ。年中児はさらにすくすくと育ち力を付ける。年長児は、園の牽引役と同時に、小学校進学を喜びで待てる逞しさと力をぐんぐん伸ばしたいとの教師の思いが込められています。
 日々の活動の中でも、子どもたちは行事が大好きです。私たちは、行事に取り組む過程を行事の連山縦走と捉え、子どもたちと一緒に、ある時はじっくりと、ある時は楽しみながら頂上までの間で、その子なりの成長を見つめながら進めています。
 今年は、年中組は、園庭にじゃがいもを植え、小さなジョウロで水をかける姿が見られました。やがて芽が出て葉になり花が咲いた9月。芋ほり体験です。「うわーこんなに大きいよ」の歓声。すぐに描いた絵を通して子どもたちの喜びが更に増幅され伝わってきました。他のクラスの子や先生にも「見てみてぼくの絵私の絵」とにっこり顔で、自分の思いを話してくれる喜びの顔は何とも言えません。
 園活動を通して感じた子どもたちのメッセージを、友だち保護者に見て頂きたい思いで2階の階段は、月変わりの常設ギャラリィーになっています。子どもに歯自分の思いを他に伝えれる喜びは、友だち家族への強い愛と信頼を育み自信と意欲を強めると考えています。
 10月には、恒例の造形展「のびのび・すくすく・ぐんぐん展」が行われ、園内には、千点を越す作品が展示され、子どもたちの心の声を父母の皆さんにご覧頂き、子どもの様子等担任から聞いていきました。
 表現は、運動、音楽、絵本、知的活動と多種多様です。私たちは子どもたちの思いや見えない心を、見える形で表現させ語らせたいと願いながら、ご家族の皆さんとの交流を深め、今日の喜びが明日への期待につながる幼稚園でありたいと考えています。

第二しののめ幼稚園

学院キャンパスだより第11号

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表現力が大学・社会人の基盤(絵は心の窓・絵本は感性の源)

 第二しののめ幼稚園の、造形表現については、色々な機会に「幼児の心を知る窓」としている活動であることを述べてきたが、先日の、大学入学式学長式辞での「今までは人が決めた枠の中に目標があったが大学は違う。自分で目標を定め自分を鍛える所である。必要な知識と共に、創造性、表現力を高め、自ら学び取っていかねばならず、卒後社会人として生き抜く力を学ぶ所である」
 幼児は遊びの源泉自由の中で、将来に繋がる、知識、技能の他、大学、社会で主体性を発揮する創造性、表現力の素地を身につかせる、幼稚園としての初期教育を考えました。
 園の表現活動としては造形だけでなく、音楽、体育、言語等多くを取り込み、将来の個性発掘に向けて多様な分野の遊びを組み込み多角的に表現出来る子を目指しています。
 昨年度は、多額を投じて、絵本コーナー設置、貸出日設定、教師の読み聞かせ、幼児の読み聞かせ発表会等、絵本読書表現の活発化を促し、感性、心の深まりを図り、いじめの根絶、心優しさの啓蒙、更に進んで善い事実行を願い「花束集会」を設けました。毎日こつこつ努力の姿も花束と繋がり、ゆっくりでも続ける事の大事さを花束に託したいものです。

第二しののめ幼稚園

学院キャンパスだより第9号

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